経済学を学んでてよかったと思うのはボードゲームをやっているとき~ゲーム中僕が考えていること~
僕はボドゲ「ゆるふわガチ勢」だ。中級者には勝ち越せる が、上級者には負け越す微妙な位置にいる。そんな奴の言うことを参考にするかは君次第だ。大会での結果もない。あるのはポケモンシングルレートで一瞬 8位になったくらいだ(レート2100後半で)。でもこれも実績にならない。
僕は駅弁大学の経済学科出身。とはいえ、仕事で経済学の知識を使うことは殆どない。
ライターだと経済ニュースとか書かないの? といわれることもあるが、ああいう記事は金融の知識に明るい人が書くものだと思う。
僕にとって一番経済学が役に立つのはボードゲームをやっているときだ。
ゲームで勝つのに役立つ学問は3つある。
・数学(確率の計算など)
・ミクロ経済学(数学とあまり変わらない)の理論
・ゲーム理論(これも経済の領域なのかな)
さらに楽しむために
・歴史(歴史系ボードゲームの背景がわかると楽しい)
・英語とドイツ語(海外ボドゲを楽しめる)
があるが、これはなくったてゲームを存分に楽しめる。
あいにく僕はミクロ経済も数学も苦手だった。しかし、簡単な理論は覚えている。これが存外役に立つのだ。
ちょっと例をあげてみよう。どれも常識みたいなものだが、経済学をやっていた人は皆より理論をうまく使っている印象だ。やはり理論に触れる回数が違うと引き出しからだしやすいんだろう。
1、投資と利益率
多くのボードゲームは投資をする。たとえばカタンで家を建てることは立派な投資だ。
投資をするとき、払うリソースに対して利益をどれだけ出すかを考えなければいけない。果たしてこの家をたてるのに必要な資源と、そこから出られる資源は釣り合うのだろうか?
極端な例を挙げよう。8の羊と3の羊、同じ羊なら8の方が出やすいのはカタンプレーヤーなら知っているはずだ(さいころを2つ振った時の合計の数字が置かれたところから資源が出る)。なので家を建てるなら8羊に建てる。
こんな風に、投資を行う際は投資に対する利益を常に考えて行動する(今の例はあまり厳密にやっていない。道・家財一個当たりがどれだけ算出しているか……etcを計算するとかいう面倒なことをやろうとしたが挫折した)。
今の例は極端な例だからわかりやすかったが、重いゲームになるほど計算も面倒になるのは言うまでもない。
カタンは維持コストがかからないからいいが、投資先に維持コストがかかるゲームだと(ストーンエイジのようにワーカーに食料を与えないといけないゲームなど)利益の計算にコストまでいれないといけなくなる。
通常は利益率=利益/価格 だが、ボドゲだと利益ー維持コスト/払った資源 になる。
これを常に考えながら投資をする。もちろん厳密な計算を毎回するわけじゃない。なんとなくで一番利益率が高いところに投資できればそれでいい。
ただし、毎回利益率が高いところに入れば勝てるわけじゃない。しかし、序盤にどこをとるかを考えたとき、利益率の高いところをとれば楽なのは明白だ。
カタンでは場を見て何をしたいと思い、それに何の資源が必要か考え、そのうえで利益率の高いところに最初の家をたてることをお勧めする。
ちなみに投資先は、序盤中盤は生産・終盤は得点という風に移り変わることが多いのもお忘れなく。
2.機会費用
機会費用とはAをしたことでできなかったBからでた利益。すなわちBができなかったことによってでた損出だ。
ツォルキンでは歯車の奥の方にある効果は強力だが、そこに行くのに長いターン数をかける必要があるゲームだ。
これは労働者を長いターン歯車の上に置くことを意味している。それはその間に労働者が算出できた資源を損していることと同義だ。
右下の青い歯車に長く労働者を置いたがために、食料を生み出せない。この時、とうもろこしは機会費用として失われているし、フードデーでの減点を機会費用と考えることもできる。水晶髑髏のためにトウモロコシ不足で神は怒り、人々は飢え死に寸前とか地獄絵図だ。
このように機会費用を考えながらプレーしないといけないゲームは多い。麻雀でのおりるかどうかの判断や、宝石の煌めきのキープなどにもこの考えは適用される。
また、カルカソンヌは常に機会費用を考えないといけないゲームだ。
3.ブルーオーシャン
市場には2種類ある。競争の激しいレッドオーシャンと競争がなく安全なブルーオーシャンだ。
ボドゲも起業家も目指すのは同じブルーオーシャンだ。カタンで皆が都市化+発展でカードを引こうと鉄麦に集中し、場所と資源を取り合う中、自分だけ木土を独占し道を伸ばし家をたて、港を手に入れて鉄を作り勝つ。なんて経験をした人は多いだろう。その時君はブルーオーシャンをゆうゆうと泳いでいたのだ。
競争が楽なところのほうが勝ちやすい。逆に競争が激しいところでは競争にリソースを裂きやすく勝つのが難しい。
目指すのはブルーオーシャンだ。
4.収穫逓減(ていげん)
収穫逓減とはやればやるほど利益が減ることをいう。
カタンだと家を建てれば立てるほどいい立地が減っていくから、家一個あたりから産出される資源は少なくなる。
ドミニオンで得点カードを買いすぎると山札が重くなり次第にできることが少なくなっていく。(ハーレムを得点+2金だからと買いだめて自滅した人を見たことがあるが、そりゃ毎夜毎夜元気になさってたらゲフンゲフン)
これが収穫逓減だ。これがあるために、プレーヤーは必要以上に同じ投資を繰り返してはならない。
カタンで都市化をせずに家をフルに作ったプレーヤーはせいぜい7~8点くらいにしか行かないものだ。鉄不足に悩んだためにそういう行動に出ていることが多く、最後の方に建てた家から入る資源は雀の涙で、あるのは街道王だけ。ほかのプレーヤーには既に置いて行かれそうである。
そうなる前に家材を貿易や交渉に使い、都市化や発展を真っ先に目指すべきである。
僕は「家材フルにあげるから鉄2ください」から勝ったことがある。目先の損得に囚われてはいけない。
5.収穫逓増(ていぞう)
逓減の逆が収穫逓増だ。同じことをやればやるほど利益が上がる。
レース・フォー・ザ・ギャラクシーで軍事ぶっぱしているときがわかりやすい。
このゲームで軍事戦略をとるときの王道パターンは「軍事+カードをだし、単発資源軍事カードor軍事+付き軍事カードをドローしながら出し続ける」である。
やればやるほど出せる軍事カードの枚数が増えていき、1枚ごとの得点もあがる。手札もまわり枯渇し辛い。挙句の果てには軍事力分の点数が入るカードを場に出して大量に得点が出せる。
やればやるほど収益が伸びている。初手がスパルタンで軍事の単発資源算出カードが手札にあれば真っ先に狙う戦術だ。
6.それ以外で考えていること
他にも以下のようなことを考えている。
A.きつくなるまでは安定行動。きつくなり始めたら読みあいorリスクをとる
よく読みあいをしたがる人がいるが、安定した勝ちが欲しいなら序盤からやるべきではない。基本は場に合わせて最も安定した行動=それなりの利益とほとんど0に近いリスクの行動を行ない続ける。その際に上記の利益率や収穫逓増なんかが使われる。
そして運の要素などでちょっと雲行きが怪しくなったら読み合いやリスクの多い行動を少しずつ増やしていく。
しかし、リスクの取り時を誤ってはいけない。ちょっとのマイナスを取り返そうとすると焦ってミスをするからだ。リスクをとるときも、相手と並ぶのに必要な利益を得るのに必要なリスクを最小に抑えるべきだ。
B.諦めない。盤面でダメそうならメンタル面で戦う
ゲームではあきらめちゃいけない。相手がミスを犯す以上、100%の詰みはまず存在しない。それにひたすら粘って勝とうとしたことが次のゲームにつながる。
盤面で積んでいそうならばメンタル戦に突入しよう。相手のミスを誘うんだ。もちろん、相手の浮気相手の名前とか、自分が相手の母親と付き合っていることをうちあけるとか、そういうことをするのではない。
盤面でブラフをかけるのだ。余裕な態度をとってみせるのだ。「はいはい。もう勝ち筋ないとおもってるんでしょww」オーラを全身から出せ。そうすれば相手がワンチャンくれるかもしれない。
C.インストから勝つつもりでやる
ゲーム性を理解したいならばインストから勝つ気で考えるべきだ。初めてのゲームで経験者に負けたときでも悔しがるくらいには考えよう。
ちなみに真の上級者は初めてのゲームでも経験者に勝つ(RFTGで実際に初プレイの上級者に負けたことあり)。
D.感想戦が一番大事。ゲームゾンビになれ
僕にボドゲを教えてくれる上級者の友人の言葉「堀江はセンスはないが感想戦しっかりやるし折れないから強くなる。ゲームゾンビだな」※ゲームゾンビとは折れずにやり続けて強くなるプレーヤーの例え(身内ネタ)。
センスがないというのは遺憾だが、確かに感想戦は大事だ。
感想戦で一番喋るのはゲームの勝者だ。この時話を聞いていない敗者が多すぎる。
君がうんざりしながら聞いているのは、君が知りたい今回のゲームの勝ち方なんだぜ
しっかり議論して、次のゲームに生かそう。それに中級者以上が連勝しているような卓では、積極的に質問するといい。実力差は間違いなくあるし、彼らは君がどうするべきだったか君より知っている。
相手の手を見て「あ、あいつミスったな。じゃあもう勝ちの芽摘んでおくか」という思考するプレーヤーは多い。
7.最後に 僕自身の課題
ではなぜ僕は中級者に勝ち越し、上級者に負け越すかを教えよう。
単にメンタルが弱いからだ。「堀江はゲームゾンビだが、ワンゲーム当たりのメンタルは弱い。要所でチキンして負ける」「メンタルの弱さで格下にも負ける」「メンタルが強ければユニカム」など様々な罵詈雑言を浴びせられている。
とにかく常に冷静にいることが僕には求められているのだ。
がんばれ僕!
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