犯行少女と社会〜異邦人とどう向き合っていくのか〜
佐世保の女の子と今回同じ宗教の人を殺した女の子の2人にはサイコパスという評価が下されたらしい。
人を殺したいと呟き、給食に毒を盛り、小動物を殺す。が、それでも殺人衝動が抑えられずに実際に人を殺してしまったのだから、サイコパス呼ばわりされるのも頷ける。
こういう時に気をつけないといけないことは「サイコパスだから人を殺してもしょうがないよね」と思ってしまうことだ。
サイコパスだからって社会は殺人を許したりしない。異常性ばかりに目がいって、こういう危険な人に対して社会はどう対応し犯罪を未然に防ぐのか考えることを蔑ろにしちゃいけない。
ドラマみたいな事件は現実で起きている。悪い奴からどう自衛するかを考える必要があるのだ。
佐世保の女の子を見れば分かるように、サイコパスの疑いがある人は家族や学校だけでは抑えることはできない。国や公共機関、病院、地域のコミュニティなどといった組織の協力がなかったせいで、あの殺人事件は起きてしまったのかもしれない。ifになってしまうが、サイコパスの犯罪は止められたかもしれないのだ。
こういう犯人が「誰でも良かった」というような理不尽な殺人が起きるたびに、カミュの「異邦人」という小説を思い出す。
主人公のムルソーは母親の葬式の後で海水浴に行き、太陽が眩しかったからという理由で人を殺す。刑務所のなかで死刑にされるのを待ちながら、最期に人々から罵声をとばされることを期待する。
なんとも不条理な小説だが、実際の事件は現実に人が亡くなっているだけあってもっと不条理だ。
カミュは不条理文学を描き続け、不条理を受け入れること、そしてそれと戦うことを題材にした作品を残した。
僕たちも今一度、「日常のなかにいる異邦人」とどう向き合い、どう犯罪を未然に防ぐかを社会全体で考えないといけないのかもしれない。
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