Black Life Non Sugar

またどこかで

療養中のカフカ

現在僕は胃と腸を同時に患って療養している。中学の時に両方とも穴が開いてから、どうにも消化器の調子が悪いのだ。

 

療養といっても仕事の数をかなり減らし、田舎の山奥(初めはネット回線がなく相当焦ったが現在はある)に籠っているだけなのだが。まぁ、僕にしてみればこの療養は不本意で、半ば親が無理やり連れ戻したのに近いのだが、親が心配しているのに首を横に振るのはどうかと思い、しぶしぶ田舎に戻った。

現在は荷物の整理と2,3用事を済ますために東京の自宅に戻ってきているが、またすぐに山へ引き返すことになるだろう。

 

魔の山には人がいたが、僕の戻る山には人がいない。友人もいなければ、家族も殆ど出かけていて顔を合わすこともない。孤独で退屈な日々を過ごさざる負えないこの場所こそ、本当の意味で魔の山なのだとネットがない時に思ったりもした。

 

電話はつながらないからTwitterもできないし、ネットもない。そうなればやることは読書だけである。かといって手元にあるのは読んだことのある本しかない。そうなれば一度読んだ本を再読するいい機会だと思うことでしか退屈を紛らわす手段はないのである。

 

まず、カフカの変身を読んだ。何回読むんだと言われようが、これが一番読み慣れた本なのだから仕方がないだろう。それに読む場所、読む時が違うだけで小説の持つ意味は変わる。実際、カフカをこういう状況で読むといつもより不条理を受け入れることができる。というより、受け入れることができすぎて刺さるといった方がいいかもしれない。痛い、辛い。

 

少しネガティブな感想になってしまうが、自分のおかれている状況がいかに社会と断絶され、顧みられることがないかを痛感させられる。朝起きたら毒虫になっていたというのはこういうことなのだ。今はまだ守られているが、いつか家族にリンゴを投げつけられて死ぬのではないかと恐怖し、自分が死んだ方が家族のためではないかと思い夜も眠れなかった。

 

しかし、状況をポジティブに捉えることもできた。僕はまだ働けるのである。実際、東京に戻ってきてからの数日でいくつか仕事をしたし、その報酬で来月は食いつなぐことができる。体調をよくすれば今の3倍は依頼を引き受けることができるだろう(今は積極的に営業をしておらず、完全にクライアントさんから仕事が流れてくるのを待っている状態である)

 

それに実際体の方は回復していると実感できる。3カ月で9キロ痩せたがここ2週間でで3キロも増えた。もしかしたら9月には100%の状態で仕事ができるかもしれない。

 

こうしたことを考えて、カフカ的不条理というのは、やはりどん底に落ちたと感じた時に希望を与えてくれるものなのだと感じた。

なんだ、まだ僕はいけるじゃん。はやく蛹になって蝶にでも蛾にでもなろうと思わせてくれるのがカフカの魅力なのだ(もちろんカフカはこんなことを意図して書いてはいないが)。

 

とにかく今は小さな仕事をこなそつつ、体調を万全にしたいと改めて思った。無理やりにでも療養させてくれた親にも感謝しなければならない。

 

変身 (新潮文庫)

ちなみに全訳持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に(営業なのでクライアントさん以外は読む必要はないです。)

もちろん現在もお仕事の依頼は受けさせていただいています。まだ駆け出しのライターでよければ、ブログトップのメールアドレスまで。現在はこのような形での依頼しか受けておりませんので、体調が悪くてもお受けすることは可能ですし、普段と変わらないクオリティで記事をかけると思います(8/19現在でのことなので、9月になれば体調も回復し、ハードワークも可能になっているはずです)。

海外文学・ボードゲーム・ロック(特に洋楽)には詳しいです。まずはご連絡だけでも、よろしくお願いをいたします。

追伸

山の中でもPCがネットに繋がったのでメールの受信は可能です。

 

営業失礼しました。

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