キュレーションサイトはライター入門に最適なのか? 半年間ライターをやってみた感想
こんにちは。フリーライターの堀江くらはです。
もうブームは過ぎたかもしれないが、キュレーションサイトはいまだに人気だ。様々なジャンルのキュレーションがネットには溢れている。
キュレーションサイトが人気ということは、当然ライターを求めるメディアが多いということ。実際、ランサーズのようなサイトには「キュレーターさん募集!」「簡単なまとめ記事のライティング」といった求人が山のようにある。
キュレーションサイトのライターは簡単で、お金も貰えて、求人もたくさんある。しかもライター経験がなくてもできるということから、ライターを目指している人にお勧めされることが多い仕事だ。ライターになるためには(本業・副業どちらを目指すかに関わらず)まず自分で仕事をとらなくてはいけない。雑誌や専門的なWebメディアに比べてキュレーションサイトは参入障壁がとても低く、オススメしやすい案件なのだろう。
だが、キュレーションサイトでライターをやらなければ、初心者にオススメの案件かどうかはわからない。
僕は大学を卒業してから半年間、キュレーションサイトでライターをしていた。その時の経験から、簡単にキュレーションサイトでライターをやるメリット・デメリットをまとめてみよう。
メリット
・簡単にお金がもらえる
上記の通り、キュレーションサイトは簡単な文章を書くだけで報酬を得ることができます。簡単といっても、他の記事よりは楽というだけで、最低限のものは仕上げなければなりません。大手メディアになれば報酬も上がり、月万単位で稼ぐこともできます。
駆け出しのライターにとって一番大切なことは「文章でお金を貰った実績」です。これが「自称ライター」を卒業するきっかけとなり、明日への原動力にもなるのです。
・知識を活かせる・得られる
キュレーションサイトには大きく分けて2種類あります。
1つ目は専門的なメディア。美容系などが分かりやすいだろう。こうしたサイトは自分の知識を活かして記事を書くことができる。自分の知識を世に出せる達成感と、それでお金を稼げる実益を得ることができ一石二鳥だ。
2つ目はNeverまとめのような多種多様な情報を集めるメディアだ。こうしたメディアで書くことで様々な情報に触れ、学ぶことができる。検索能力も自然とつく点も見過ごせない。
・名前を出せるメディアもある
ライターにとって署名は大事。キュレーションサイトの中にはしっかりと名前を出させてくれるところもある。Twitterのリンクを貼らせてくれるところもあり、新規の依頼を受けるチャンスが広がる。
SNSのフォロワーを侮ってはいけない。僕の知人にはTwitterで仕事を貰えたフリーランスがたくさんいるし、僕自身も雑誌の依頼を受けたことがある。
・編集サイドとやり取りができる
編集者の話が聞けるのも大きなメリットだ。編集者の中には元ライターや大手広告会社に勤務経験がある人もいる。そうした人から学ぶことは多い。
デメリット
・報酬は雀の涙、支払われないことも
報酬が貰えるといってもその額は少ない。雑誌なら初心者でも1ページ1.5万~、Webでも大きな取材をすれば同じくらいは貰える。
これがキュレーションサイトになると1記事千円、酷ければ数百円程度にしかならない。雑誌等と同じだけ稼ぐにはそれなりの量の記事をかかなければならないのだ。
また、Webの仕事は報酬の未払いが多いという噂も聞いたことがある(あくまで噂だが)。僕もキュレーションサイトに書いたが報酬が支払われていないという新人ライターの嘆きを聞いたこともあるし、僕自身Webの大手ニュースサイトからの報酬が数カ月遅れたことがある。
こうしたリスクを如何に避けるかが重要だ。ソーシャルワーキングサイトならばこうしたリスクは減らすことができるだろう。
・実績として評価され辛い
ある程度キュレーターをやったとしてもそれが実績として評価されるかは分からない。出版社や編プロに営業しても、キュレーションサイトでライターをやっているというだけでは弱いかもしれない。
・実力が付くかどうか分からない
キュレーションサイトで書く文章は非常に短いことが普通だ。そのため長文を書く力があまりつかない可能性が高い。
・誹謗中傷
キュレーションサイトでライターをやっているだけで叩かれることがある。
このブログのコメントやTwitterに「キュレーターとかモラルがない」という声が寄せられたことがある。
他にも、編集者が「引用するツイートは元ネタに許可取らなくていい。無駄手間になる」と指示 されたが、引用した呟きの発言者に「勝手に引用するな」とおしかりを受けたことがある。
こういうのは結構落ち込むものだ…
他のライターさんいわく「ブログの方がいい」
他のライターさんにこの話をしたら「キュレーションサイトなんかより、ブログの方がいいよ」と言われた。
確かにブログでキュレーション記事を書いた方が収益はでるし、記事が伸びればキュレーションサイトよりも実績として評価されるかもしれない。ブログから仕事の話が舞い込んでくるなんてよくあることだ。長文を書く練習にもなるだろう。
イケダハヤト氏ははあちゅう氏のようになれるかもしれない…
だが、ブログは実力がなければ稼げない。これだけは確かだ。1記事で数万稼ぎ、本を出版するブロガーもいれば、何記事書いてもアクセス数3ケタみたいな人もいる。
一方キュレーションサイトは確実にお金を稼ぐことができる。報酬未払いさえなければ「時間を無駄にした」という後悔の念を抱くことはない。
それに、編集者と会話することができたり、弱いかもしれないがライターとして確かな実績を得られるというのはブログにはないメリットだ。
どちらも一長一短といったところだろう。
まとめ どうしても仕事がないならキュレーションサイトへ
僕個人の意見としては、副業として簡単なお小遣い稼ぎがしたい、またはライターを本業にしたいがどうしても仕事が得られないならキュレーションサイトで書くという選択をすればいいと思っている。
僕がキュレーションサイトで書いていた時期は、体調を崩したため雑誌の仕事を辞め、簡単な仕事しかできないときだったし、快復して今まで通りに働けるようになったらすぐに辞めてしまった。
これまで書いたように、キュレーションサイトは誰でもできるが、その分メリットが少ない仕事だ。金銭・経験のどちらをとっても別のライティングの仕事を探した方がいい。営業で苦しむのも悪くはない。立派な経験だ。
キュレーションサイトでライターをやることは悪いことではない。最低限のものは得ることができる。ただ、積極的にやるのではなく「最後のライフライン」的な感覚で捉えた方がいいのではないだろうか。
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フリーライター 堀江くらは
雑誌・Web問わず活動中。メインはイベント取材ライター
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