山奥の田舎に行ってみて感じた「現代」
こんにちは。現在伊豆からお送りしています。堀江くらはです。
ちょっと荷物の整理をしなくちゃならず実家に帰っています。そこでいろいろと考えさせられる事がいくつかあったので書いていこうと思います。
稲刈りという名目で集まる意味
親戚が天城で(天城越えの天城です)半分趣味の農家をやっているのですが、今日は稲刈りがあるということで手伝って来ました。
でも、今の稲刈りって機械を使えば夫婦2人だけでもできちゃうんですよね。じゃあ、僕達は何の手伝いをしにいくか? 狩った稲を天日干しにするんです。馬を作ってそこに稲をかけていく作業は人の手じゃないとできないから呼ばれるんですよね。
この作業をしている農家は現在だと殆どないようです。天日干しにすれば味が良くなると言われてますが、まず最近の農家には人手がいないのが理由だとききました(他に詳しい人がいたら教えてください)。
親戚の農家は米を売っていないからそこまでおいしい米を作る必要なんてないんだけれど、未だにこの行程を続けているのは親戚で集まる理由が欲しいから何だと思います。都会は人の繋がりが薄い。なんて言われるけれど、田舎だってそれは同じです。特に若い人は都会にでて言ってしまいますから、どんどん田舎に残る老人との間には、何かがないと繋がりなんて産まれない。正月にだって帰ってこない。
だから我が家では「米を分けるから手伝いなさい」という名目で近場に住んでいる親戚が集められる。米をもらえるからにはみんないきますよね。僕だって米をもらっているので二つ返事で行きました。
実際、田んぼの持ち主であるおじさんは「毎年やらないとみんな顔を合わせられないからな。天日干しは内にはいらない行程だけど、人手がある内は続けるよ」といっていました。
結局、田舎にも人の繋がりという現代の問題が転がっていて、それを解決するために何かをしようという人がいるのだと感じました。
食卓が家庭菜園とコストコ
次に面白かったのが食卓の様子。今日はちょうど親戚の還暦祝いだったのでパーティをやりました。
野菜は全部畑でとれる旬のもので埋め尽くされていました。どれも採れたてで美味しかったです。
じゃあ、畑で採れない肉類やピザなどの惣菜はどうなっているかというと、全部コストコで買ったもの。なんでも昨日神奈川まで行って買って来たのだとか。
そして職語にでたデザートも、家庭菜園でとれたフルーツとコストコで買ったケーキ。凄い、完全に自然派と大量消費っていう相反するものが揃っている! って感動しました。
多分この食卓は静岡という土地がなせるものだと思いました。趣味で農業をやるにはちょうどいい自然が揃っていて、且つ、距離的に日帰りで神奈川・東京に行くのもなんとかなる。だから定年後の趣味で畑を耕しながら、テーマパーク的な楽しみを求めてコストコにいける。
話はそれますが、今日始めてコストコがテーマパークだということを肌身に感じました。親戚一同、本当に楽しそうにコストコについて話し、ディズニーランドのお土産みたいな感じで食卓に肉やケーキをおいていくんです。
いわゆる「遠足型消費」という現代の消費を田舎で見せられ、同時に「定年後の農業」というちょっと前から現代まで残っているものも見せてもらえる貴重な経験でした。
終わりに
田舎っていいなー っていうのは簡単だけれど、現代で起こっている事象の多くは田舎でも起こっていて、且ついくつかの問題は田舎の方が深刻なんだと感じました。少子高齢化とか、繋がりの不足とか、どれも田舎の方が深刻。前者はどんどん進んでいるし、後者は繋がりがないと生活がし辛くなる度合いが田舎の方が強い。
皆さんも田舎に行く機会があったなら、田舎の風景のどこかに都会で叫ばれている現代がないか探してみたらどうでしょうか?