Black Life Non Sugar

またどこかで

大学生の貧困とアルバイト

http://sierblog.com/archives/1806976.html をみて思ったこと

 

筆者は大学生の時にバイトらしいバイトをしなかった。大学に入る前はニートから脱出したフリーターだったし、高校時代もずっとアルバイトをしていたが、大学では真面目に勉強してみようと思ったのだ。もちろん、生活が苦しかったのでクラウドソーシングを使ってお小遣いを稼いでいた。あとは親からの仕送りでどうにかなった。
正直、筆者がこんな生活をすることができたのは家庭の事情で学費を免除されていたからである。もし学費を払う必要があったら私もバイトをする必要があっただろう。

学生街の経済は学生によって回っていると言っていい。大学前のコンビニなんて、客の大半が大学生であり、バイトをしているのも大学生だ。
学生街では安いチェーン店の需要が高い。学生は金に余裕がないのだから当然だ。そのため大学周辺には牛丼屋やハンバーガーチェーン、ユニクロドンキホーテなどが多い。そこで学生は買い物をし、一部の学生はアルバイトもする。

学生は安い賃金で雇われている。なぜか? コストを安くする必要があるからだ。コストを削減しなければ金のない学生が買うことのできる値段まで商品の価格を下げることができないのだ。
また、他店舗との価格競争も存在し、アルバイトへの賃金をさらに削る必要が生じてくる。
ここに大きな問題が生じている。働いているのも学生ならば、商品を買うのも学生であり、アルバイターも外では消費者なのだ。賃金の低下は購買能力を低下させる。そのため、その変動に合わせて価格をさらに減少させる必要がある。どうやってそれを行うか。もちろん賃下げである。
賃下げを行うとどうなるか。購買能力が低下する……
ここに不のスパイラルが存在していることが分かってくれただろう。

このスパイラルの中で学生は苦しんでいる。バイトに学業で使われる時間を奪われる。講義に出席する時間よりもバイトをしている時間の方が長い学生さえいる。奨学金を貰えばいいと言う人もいるが、将来の返済を考えると気軽に借りられるものでもない。ましてや昨今の不況では東大生でさえ就職ができないこともある。そんな中で奨学金というリスクのある選択肢よりも、バイトをするという選択肢の方に選好があるのは頷ける。
また、就活で学業よりも人生経験が評価されることも学生をバイトに走らせる原因の一つだろう。

じゃあ学費を大学まで無料にしてしまえばいい。と思う人もいる。筆者もそういう理想を掲げる一人だが、あくまで理想であって、財源問題など現実的な考えではないように思える。
学生のバイトを全面禁止にしたら、今度は大学に通えない若者が大量にでることだろう。

また、先のモデルの学生を貧困層に変えると世界中で起きている現象になることに気づいた人も多いだろう。この場合前述の奨学金生活保護ということになる。学生という立場でありながら、彼らの一部は貧困層として扱うことができる。

この大学生の貧困は社会にとって大きな問題である。学生という将来の労働力を育てるのをアルバイトが阻害するし、若者が消費をしないために「若者の○○離れ」というよく耳にする現象が発生する。

本来学業とは公的なもので、誰にでもアクセスする権利があるはずだ。しかし現状は異なり、多くの人が自由に勉強をできないでいる。よりよい未来のためにも、学生の貧困は解決しないといけない問題だろう。

 

 

絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち

 
絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち

 

 

古市氏はこの本で有名になったと思うのだけれど、学生は貧困にあえぎながらも満足していると思うとなんだが不思議な感覚になる。僕自身も「絶望の国の幸福な若者」の一人なんだろうけれどさ。

賛否両論ある本だが、とりあえず読んでみるといい。

 

 

 

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